海運業界はどうなっているのか
WTO加盟以降、人と物が激しく動く中国で、その恩恵を受けているのが海運業界です。
海運業界の2大勢力は、総載貨重が業界の半分を占める中国遠洋運輸と、これに次ぐ中国海運です。
中国遠洋運輸は「COSCO」の名で世界的に有名で、傘下には世界第6位のコンテナ・リース会社の中遠太平洋があり、COSCOの業績に大きく貢献している。
また、WTO加盟後に著しく業績をあげてきているのが、中国海運の子会社で業界内世界第15位の規模を誇る中海発展です。
中海発展は中国石油運送のトップ企業であり、国内石油運送市場の80%のシェアを誇っている。今後、石油需要の伸びとともに期待される企業です。
また、規模は小さいが、シンセンを拠点とする港湾サービス大手のチーワンワーフも、シンセンのコンテナ取扱量の増加とともに業績を伸ばしている。
また、流通のリーディングカンパニーとして中国対外貿易運輸傘下の中国外運にも注目が集まっています。
海運業界の代表企業 |
海運業界ビッグ2 |
海運関連メーカービッグ2 |
中国遠洋運輸
設立:1961年
傘下上場企業:5社 |
上海振華港口機械
クレーンで世界第一位のメーカー |
中国海運
設立:1949年
傘下上場企業:2社 |
中国国際海運集装箱
世界最大のコンテナメーカー |
五ヵ年計画
01年から始まった弟10次5ヵ年では、海運技術の向上、管理体制強化、さらなる対外開放の拡大を目標としています。
また、「西部大開発」や「西気東輸」に向けた内陸河川での輸送力強化も求められています。
注目企業
中国国際コンテナ |
シンセン200039 |
世界最大のコンテナメーカーで、製品のほとんどを欧米、オーストラリア、日本、韓国などに輸出している。業界内での知名度は高い。 |
上海振華港口機械 |
上海900947 |
ZPMCの名で知られる、クレーンを中心とした大型港湾設備製造メーカー。売上高は8年連続30%成長するなど優良銘柄としても有名。 |
中海発展 |
香港1138 |
中国第2位の大手老舗海運会社。上海宝鋼、広東電力、浙江電力、江蘇電力など大口荷主を抱えている。 |
中遠太平洋 |
香港1199 |
中国最大の海運業者、COSCOの傘下。傘下企業を通してコンテナのリースや港湾サービスをおこなっている。 |
中国外運 |
香港0598 |
中国最大の輸出入貨物取り扱い、物流サービス提供業者。DHLとの戦略的パートナーシップ締結で業績拡大をもくろむ。 |
チーワンワーフ |
シンセン200022 |
1982年設立のシンセンを拠点とする港湾サービス大手。不動産事業から撤退し。本業に集中。シンセンにおける港湾取扱量で20%前後のシェアを誇る。 |
資料
海運関連メーカーBIG5 |
1位 |
中国遠洋運輸 |
2位 |
中国海運 |
3位 |
長江航運 |
4位 |
中国対外貿易運輸 |
5位 |
河北遠洋運輸 |
港湾別貨物扱い高(2001) |
順位 |
港名 |
取扱量(万トン) |
前年比増 |
1位 |
上海 |
22099 |
8.1% |
2位 |
寧波 |
12852 |
11.3% |
3位 |
広州 |
12823 |
15.2% |
4位 |
天津 |
11369 |
18.8% |
5位 |
泰皇島 |
11302 |
16% |
6位 |
青島 |
10398 |
20.4% |
7位 |
大連 |
10047 |
10.6% |
8位 |
シンセン |
6642 |
16.6% |
9位 |
舟山 |
3281 |
2.9% |
10位 |
連雲港 |
3058 |
13% |
【作成2004年7月20日】 |
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